A

色々と書く

異世界はスマートフォンとともに 2話

はじめに

1話の記事であれだけ文句を吐いたにもかかわらず、何故2話を見ることにしたのかを説明しておく。

異世界はスマートフォンとともにという題名なだけあって、異世界でスマフォを活用して目新しい展開を繰り広げてくれるに違いないと踏んだからだ。

1話ではスマフォが活きた場面といえば最後のアイスクリーム作成のレシピを見たくらいで、まさか作者もあんなしょうもないことをするために、わざわざ異世界にスマフォを持ち込ませた訳ではないだろう。

1話は異世界転生のご他聞に漏れず、死亡した主人公が最強になって異世界へという感じで、クソほどにもつまらん導入部となっていた。

そもそも私が昨今の異世界に転生して即席最強アニメをほとんど見ずに毛嫌いしているのは、こういった何の捻りもなければ捻りを加えようともせずに、これが今の主流ですから苦言を呈するのは無粋ですよと言わんばかりの強引な展開に辟易しているからだ。

流行を築いた先人たちを倣うのは全く悪いことではない。かのアイザック・ニュートンでさえ、「私が遠くまで見ることができたのは、巨人の肩に乗っていたからである」と言っているほどだ。だが、あまりにも同じ轍を踏みすぎている。古きを知り新しきを生むことに意味があり、ただ模倣してさして目新しくもない微妙な要素を少しばかり取り入れて差別化し、根本的なつまらない部分はそのままにしているだけな気がしてならない。だから最初から見る気さえ起きない。見もせずに勝手に決めつけるなと言われればそれまでだが、タイトルやあらすじとはその作品の顔であり、この時点でしょうもないものを見せられたら実際どうしようもない。

しかし私は考え方を変えてみた。

まだ始まったばかりなのだから、後からあっと言わせるような、異世界+スマフォならではの思わず目が離せなくなる熱い展開が用意されているだろうし、ここで見限るのは時期尚早だと、そういう結論に至った。

すなわち、このアニメは今後の私の異世界転生作品への見方を180度変えることになるやもしれない大切なものとなる。

そういうわけで、もう少し様子を見てみることにしたので引き続き感想を書いていく。

Aパート

路上でゴロツキたちと喧嘩しているサクラ大戦のサクラの偽物みたいなやつと出会って王都まで一緒に旅をすることになった主人公たち一行。

この時点で、主人公は変な詠唱とともに魔法を唱えていたり、移動中の馬車の上でもこの世界の本(魔法書)を読めていたりと、1話から少なからず時間が経っているものだと思われる。

かくかくしかじかでニューヒロインを仲間に馬車での移動を開始した主人公たち。

その道中は魔法の説明パートとして扱われていた。

この世界には火属性だとか水属性だとか、そういったオーソドックスな属性魔法の他に、無属性魔法という各々が持つ専用の魔法があるらしい。

無属性魔法の例を3つ主人公が読み上げた。

・髪の毛がくりくりロールになる魔法

・やたらと犬に懐かれる魔法

・茶柱をたてる魔法

これ笑うところなのか否かが本当に分からない。

くすりともこないのだがふざけている感じはあるから、笑うところなのかもしれないけど、もしこれを作者が面白いと思って書いているのであればさすがに不気味。もっとも、原作のほうでは無いやり取りなのかもしれないが。

で、その無属性魔法が大量に記載されている本(先述)があり、それを流し読みしている主人公に対して藤林姉の方が「どこで使えるか分からないから片っ端から覚えていけばいいんじゃない?」と言う。

それに続く主人公の心の声「たしかに神様に記憶力は強化されてるけど、ココに載ってるの全部覚えるのはきついぞぉ」

はい、ここサブイボポイント。どこからどこまでもサブイボファクターなのだが、当たり前のように神様に強化されており、最後のシメは、(そんな俺でさえも)きついぞぉという謎の謙遜。凄いなら凄いで突っ走ればいいのに、無駄にそういうことをするな。

そしてその魔法書のなかで遠くにある物を引き寄せる魔法というものがあった。

主人公はそれを試してみるのだが、1回目は対象が大きかったという理由から成功しない。そして2回目はサクラの髪の毛に巻かれたリボンを引き寄せることにしたのだが、ここでまたサブイボポイント。

「明確にイメージして・・・」と言ってからスゥ~~~~ハァ~~~~と大きく深呼吸をするのだが、いくらなんでも気持ち悪すぎるだろう。ていうかリボンを明確にイメージって何?お前のすぐ近くで髪の毛と一緒に揺られてるやん、そのリボン。そんな近距離にある、しかもただの布を引き寄せるだけに明確なイメージと深呼吸いる?わざとらしすぎて気持ち悪い。

ほぼこれで前半は終了。

敢えて1話の時には触れなかったけど、この主人公、元いた世界への想いにかられたりとか全くしないのが不思議でしょうがない。

親とか兄弟とか学校の友達とか恋人だとか、そういった人間関係が全て無になり知らない世界で暮らしていくことになったら、個人差はあれど元の世界への名残惜しさは普通あるものだと思うけど、ほんとに全くない。

二話の前半までにサブイボと違和感しかないけど、このまま見続けて大丈夫なのかと心底心配になる。

Bパート

魔物たちとの戦闘シーンから始まった。

オープニングのときから既に予兆はあったが、このアニメとにかく動きがしょぼいし描きこみも少ない。

ここで戦っているのは二足歩行のゴブリンみたいな魔物なのだが、初代遊戯王のアニメに出てくるモンスターの方が何倍も描きこみが多い。素人集団が創ったB級同人ゲームに出てきそうな魔物のデザインをしている。戦闘シーンもぬるぬるしてないから見ててつまらない。

魔物たちとの戦闘を終えると、いかにも貴族が乗ってそうな馬車の方から少女の悲痛な声がする。

そちらにいくと、その少女が「じい」と呼ぶ執事のじいさんが魔物の毒牙にかかり瀕死の状態となっている。どうやら体内に矢の破片が残っているらしく、回復魔法をしても異物が残るため、助かる見込みはないとのこと。

少女とじいの感動的な別れのシーンがしばらく流れる。この間、B級映画の感動シーンで使われそうな胡散臭いBGMも流れている。

こんな風にとってつけたような感動シーンを入れてくるのは構わないが、いきなり現れたじじいが死んだところで全然思うところなどないし普通に冷める。所詮はこの少女と主人公が出会うきっかけを作るためだけに殺された哀れな執事への同情がほのかに募るのみだ。

と思っていたら、まさかのじい生存ルートだった。

なんと、Aパートで主人公が使用していた遠くの物を引き寄せる魔法で、じいの体内にある矢を取り出してから治療したのだ。

こんなの全く予想できなかった。素直に脱帽した。発想が凄すぎる。

まあそれで、当たり前のようにその少女は王女なのだけど、その護衛を主人公が頼まれる。

正直、この王女は可愛い。もとより金髪王女に弱い性分なので、金髪王女なら何でも可愛い。

しかしまあ、まだ2話なのに既に四人もヒロインが揃ったうえに王にまで気に入られちゃって、とんでもなくサクサク進んでいる。

金髪王女と王はとある問題を抱えており、それは女王が諸事情により盲目状態にあるということだった。

病気による後遺症は特別な魔法でしか治療することができないらしく、なんとその魔法を主人公が使えてしまう。

こりゃ凄い。この世界に生きとし生けるものが主人公のためにあるのだから。

そんなこんなで後半も終了。

2話ではスマフォが活用されることは一度も無かった。

まあ、まだキャラクターの顔合わせ程度だし、これからスマフォが大活躍していくのだろう。どういった方法をもってそれを見せてくるのかが楽しみだ。