えとたま
梗概
一部の記憶を喪失中の猫の干支娘にゃーたんは、干支神にならなければならないという記憶を頼りにレッツランデヴーする。
設定
評価:A
面白い設定だと思った。他に干支を題材としたアニメは私の見たアニメの中では一つも無いというのも大きい。やはり、普段見慣れない設定というのは目新しさがあってそれだけで面白く感じるものだ。
キャラクター
評価:A
主要キャラクターは少し多い。主人公のタケルとメインヒロインのにゃーたんに干支神12人を合わせた計14人であるが、干支神たちは出番の多さにかなり差があり、出番の少なめなキャラを好きになった場合は辛いところ。
嫌味のあるキャラクターはおらず見ていて気持ちが良い。
各キャラ個性的だが、これは当然かもしれない。干支なのだから、それぞれ動物が割り当てられているためにただの人間という設定よりも遙かに個性を出しやすいだろう。
残念なことににゃーたんは記憶喪失の為にキャラが定まっておらず、キャラ設定を暗中模索中だというメタ発言が本編でされている。
私が好きなキャラは猪の干支神ウリたん。
序盤こそ「ですです」という取って付けたような語尾に腹立たしさを感じたものの、いつしかウリたんの「ですです」が飯時であっても、風呂に入っている時も、歯を磨いている時も、眠る寸前でさえ脳内でリピートされ続けるほどに愛おしくなっていた。
それはまるで猪肉の癖になる独特な風味のように思われた。
楽曲
評価:A
オープニング曲の「リトライ☆ランデヴー」はにゃーたんの声優村川梨衣が可愛らしい声で歌いあげる疾走感のある曲だ。
たまに、疾走感のある曲に対して全く動かない映像という最悪のオープニングとなっているアニメがあるが、そんなことは全然なく、曲良し映像良しの非の打ちどころのない完成されたオープニングとなっている。
反対に、エンディング曲はゆっくりとした曲調になっており、本編終了後の「もう終わってしまったんだなあ」という余韻の良いお伴になっている。
キャラソンについては数が多いので触れないことにする。
次回予告
評価:A
にゃーたん+各話ごとに違う干支神がふざけたやり取りをするだけの、全く次回予告の体を成していないという、次回予告のパターンの中ではもっとも好きなタイプの予告。
総評
評価:A+
本編は基本的にハイテンションで進んでいく。メインヒロインのにゃーたんのテンションが特に高く、ボケからノリツッコミまで幅広く熟す。これはキャラが定まっていないという設定が上手く活かされており面白い。
途中で1話まるごと説明回があったり、キャラたちによるメタ発言が多いので人によっては見ていられないだろう。私は好きなので楽しく見ることができた。
最も注目すべきは干支娘及び干支神たちが、バトルをする際に幻想的な世界で無数の鳥居の下を駆け抜けていきそれぞれ固有の決めポーズを取るシーンだ。
本編は見なくとも、このシーンだけは見るべきだ。
所感
恥を忍んで言えば、私はえとたまを見るまで、十二支を順番通りに言えなかった。
1話の序盤でタケルが干支神たちに「干支を順番にいってみてください」と言われ、「子丑寅卯辰巳・・・」と巳で止まってしまうシーンには非常に共感できた。
巳の次は午と続くのだが、この午の語感が悪いことが十二支を覚えづらくしているのは言うまでもない。そしてえとたまでもそのことについて触れており、午の干支神ウマたんは、午の語感が悪いから覚えづらいということがトラウマとなっていた。
私が十二支を言えるようになったのはウマたんがいたからこそである。この想いがソルラル(えとたまの設定で人の想いであり彼女たちの力の源)となって届くことを祈るばかりだ。
このアニメは終始作画に乱れがなく、バトルは熱く、ギャグシーンも面白く、感動シーンでは涙を頂戴し、主人公は決めるところで決めるという、全12話のオリジナルアニメとしてはおよそ叩くところの無い、つまるところの神アニメと言っていい。
しかし、よくよく考えてみればこのえとたまというアニメ、神様たちのお話なのであるから、わざわざ神アニメなどと評さなくても、最初から神アニメだったのだ。